小学生から中学の頃、短波放送、
というかラジオに凝った。
短波は届く距離が長い。
だから専用の受信機を使えば、
世界中の放送を聴くことができる。
深夜、ふとんにもぐって、イヤホンをつけ、
辞書のようなハンドブックを懐中電灯で照らしながら、
ラジオのダイヤルを少しずつまわす。
周波数をあらわす青いデジタルの数字がどんどん変わる。
(ラジオっていっても、いまのプレステより大きいんじゃないかな。)
いやあ。
なんて優雅な時間をおくっていたんだ、昔の私は。
南の島っぽい甘い音に満ちたDJ(らしき番組)。
中東からのコーランには不思議なエコーがかかり
アフリカからのノイズにまみれた微弱な声と音楽・・。
もちろん放送の中身なんかぜんぜんわからないけれど、
ときどき「This is Radio ・・・」と、聞き取れたときの
喜びは鮮やかに残る。
そして聞いた放送についての記録をログに残していくのです。
あのログのノート、もう捨てちゃったのかな。
国内の放送(AM放送・中波といいます)だって、
夜になるといろいろ聞こえる。
東京にいると、岩手や秋田、札幌、九州、四国、九州、・・
いろいろな地方のローカル番組をきくのもとても楽しかった。
ときどきよく聞こえなくなるんだけど。
そしてラジオ局に、受信状況についての
レポートを出すとベリ・カードといって、
ハガキのような美しいカードをおくってくれるのです。
ノイズとフェーディング(音の強弱が波のようにうねる現象)と混信が、
世界の大きな広がりのリアリティを伝えてくれる。
きれいに聞こえちゃ全然だめなのです。
ここのところのインターネットの展開はとても面白いけれど、
ラジオの世界は、それとはまた違う地球の情報デザイン、
広さのデザインとなって存在していた。
だから私はいまも何万円もする短波放送の受信機がほしいのです。
YAESUとか。日本電気とか。そういうメーカーの。
当時使っていたNatinalのRF-2600でもいいけど。
あぁ、これってやっぱりマニアック。
そういや、小学生の頃はよく秋葉原通ってたっけ。
まだあんまりあやしいイメージない頃ですよ。
念のため。
(修正あり)