10年くらい前に翻訳作業をした本が文庫化されることになって、
あらためてゲラ刷りを校正いたしております。
ふむ、こりゃ確かに自分の文章、と思えるところもあれば、
なんかはじめて出会うような気がするところもあり、
なかなか面白い体験だ。
監訳者になっている大学のときの私の先生が、
けっこう手をいれてくれたといっていたから、
実際自分の文章とはいえないところも多々あるんだろうけど、
これが、いまになってみると、判別するのが難しい・・・。
文体ってへんなもんだ、やっぱり。
---
それともう一つ気づくのは、
読みながら「昔の自分を疑っている」ということ。
自分に向かって、
「全然物事知らんだろ、この若造が!」(笑)的な
意識をもって読んでいるときがある。
あの本の内容については、当時のほうがいまより
深くかかわっていたとは思うんだけどね。
こういうふうに、今の自分が一番って思ってしまうって
ときどきあるけれど、本当はどうなんだか。
それにしても、翻訳やっていた当時は、
まだ授業もほとんどもってなくて、週1コマくらい?
会議なんかもすくなくて、時間はいっぱいあったはず。
そして、そもそも大学にはもっとゆったりした時間が流れていたと思う。
いったい日々何してたんだろう(笑)
それほどもどりたいとは思わないけれど、
もうあんな季節は絶対こないんだろうな、と。
---
そして、このブログを10年後にどう読むか、20年後にどうよむか、
それが私の楽しみの一つなのです。
ふふ、まさに後ろ向きの悦楽。
(修正あり)
なんていう本ですか??
読んでみたいです。
おー、リクエストもらえるなんて
うれしい。
スチュアート・カウフマン
『自己組織化と進化の論理』
です。単行本は日経新聞社から
でてます。文庫はたぶん来年でるはず。
ちくま学術文庫から。
(わたしは1〜4章まで担当しました。)
複雑系に関する
ボリュームのある
けっこうハードな本ですが、
読み応えのある面白い本ですよ。