1/1461

March 27, 2006

ご挨拶

お久しぶりです。

そろそろ次の環境に移って、すこしずつものごとが
落ち着き始めている頃でしょうか?

心が完全にきりかわり、次のステージに突き進んでいる人もいるだろうし、
あまりの虚脱感にまだ何もできない人もいるかもしれません。
 
残りの5日間をどう過ごすのかしら。

 
さて、このあいだ書かなかったので、
あらためてメッセージを書こうと思います。

まず、私のことなので、当然ながら(笑)反省からはいります。
 
 
何を反省するかというと、君たちとは
たぶん近くなりすぎてしまったということです。
もちろん、当初は、意図的に近づく必要が
あったわけで、それなりの努力もしたわけですが、
想定外に距離が縮まりすぎた感があります。
そして一度縮めた距離を意図的に離すことは難しかった。
 

伝えられることの質と量の低下以外にも、
このことによる弊害はいろいろとありました。
それはおおいに自覚してます。
不快感を味わった人も多いと思うし。
自分はまだこれだけ未熟かと思わざるを得ない。


でもこれはいまになってどうこうできる問題ではない。
だからここに書いていることは、ある意味いやらしい言い訳でです。
 
 
でもまあ、言い訳させてください。
たぶんやるべきことはやったと思う。
余計なこともやりましたが。& 最適化はできなかったかもしれないけれど。
そして、きっとこの距離感だからこそ
伝えられたこともあったかもしれない。
そんな戯言をいいつつ、今後の教訓にするのみです。


-------------------------------------------

あとは、せめて教員らしきことを一つ二つ。
これまでなんどもこの場で似たようなことを書いてきたし、
授与式や謝恩会でもいろいろな先生から、同様な話がでていましたが、
あえてまた書こうと思います。


この数年間で君たちはここでいったい何を学んだでしょうか?


いろんな先生からすでに答えの候補やヒントがだされていました。
ただ、それはあくまで候補やヒントであって、
これは君たち自身がとらえなおすべきことだと思う。
 
 
大学で何を学んだか?
 
 
この問いにはいろいろなレベルでの答えがありうると思います。
たとえば、社会調査をする能力を手にいれたとか、プログラミング能力や
語学力が身についたとか、環境についての知識がたかまったとか、
資格を手に入れたとか。
こういう知識とか技能とかに関することを身につけた。
これは間違いのないことです。
でももしかしたらそういうことは本を読んだりすることで、
大学でなくてもできたかもしれません。
  
 
中には、わたしは何も得たものなどなかったと
半ば自虐的に考えている人もあるいはいるかもしれません。
かくいう私も、実は数年前、大学の時の先生のまえでしゃあしゃあと
そんなことを発言したことがあります。
   
 
でも今、やはり私が思うのは、
みなさんが二十歳前後というこの時期に
大学という場所に身をおいて、そこで数年間を過ごしたという事実は
きっとなんらかの、それも大きな影響をみなさんに与えている
のではないかということ。
 
  
大学で何を学んだか?

 
人としての能力として何を学ぶことができたか。
いい思い出とないまぜにして真実以上に肯定的にとらえるのではなく、
また逆に必要以上に否定的・批判的にとらえるのではなく、冷静にふりかえってみてください。
もし大学にいっていなかったとしたら自分は今の自分とどのようにちがっていただろうか?
そのように考えてみることで君たちはたぶん自分自身を省みることになるはずです。
また学んだことの意味を自覚するようになるはずです。
そして自覚することで、その意味はより深まるのではないか?


大学で何を学んだか?
 
 
これって本当は明確に答えるのが難しい問いなのかもしれません。
別の人生をいきることはできないわけだし。
そし私自身のことを考えると、
その答えが、少しずつにしか、あるいはずっと時間がたってきたあとでしか、
わかってこない問いのようにも思えてきます。
・・・。
でも逆に言えば、すこしずつわかってくる問いでもあると思うのです。


だからおりにふれて考えてほしい。(ごくたまにでよいので)
そして、もし「ああ、そういうことかもしれない」ということがあったら、
いつか私たちに教えてほしい。
そして、そのうえで大学はこうであるべきである、
大学の先生はこうするべきであると思う、
あるいはこうすべきではなかった、
ということを思いついたら、
ぜひとも教えてもらいたいとも思います。
 
 
未熟な私も努力を続けます。
 

----------------------
 
大学のいいところの一つはその持続性にあります。
きっとあと相当時間がたって、大学をふと訪れたとしても、
きっとそこではみなさんのよく知っている先生方と、
君たちとよく似た学生諸君がわいわいがやがややっているはずです。
(多少は進歩もしていたいものですが。)
そして、私たちは君たちを大学に通っていたときと同じように迎えます。
 
 
いつでも遠慮なく大学にくるべし。
それを待っているのだから。
そのことを、そんな場面を、君たち自身なんども目にしてよく知っているでしょう?


-----------------------

最後に。
君たちには本当に楽しませてもらいましたし、引き上げてもらいましたし、
また助けてももらいました。
ものすごく感謝しています。
どうもありがとうございました。


------------------------

たぶんわたしは明日も6号館にいて、さすがに誰もこない
部屋でお湯をわかしコーヒーをいれ、少々しんみりしているはずです。
誰かが予見したとおり、
結局私は最後まで君たち離れができませんでした。
でもそうしつつも、きっと来週の新学期のことを考え始めています。
またこんな別れが迎えらたらよいな、とか思いつつ。


なんという湿っぽさだ。
かっこわるいよなぁ。
ご容赦あれ。

(修正あり)

[ 教員 ]
blank_space
投稿者 53 : March 27, 2006 12:56 AM | トラックバック
コメント
blank_space
コメントする






名前、アドレスを登録しますか?






blank_space
カテゴリー
blank_space
Powered by
blank_space