久しぶりです。
今日は、気になる本シリーズ第3回目ということで。
やっぱり、80年代後半に大学生活をおくった私は村上春樹世代です。
この人の「街のかおり」まで描写する力に、たまらなく
惹かれます。(スキな理由は他にもあるのだけれど。)
そういう意味では、初期の作品のほうが分かりやすいし、
純粋に「楽しむ」という感じで読める。
最近の作品も面白いのだけれど、とくに疲れているときに
癒してくれる力はもっていないような気がする。
そのつもりで書いてないのです。
気合入れないと楽しめないよね。
初期の作品、『風の歌を聴け』や『1973年のピンボール』の神戸、
『羊をめぐる冒険』の札幌、『ノルウェイの森』の東京、
『ダンス・ダンス・ダンス』の札幌とハワイ...。
これらの作品はなんど読んでもあきない。
そこで描かれる街は、その時代のその場所を
実に見事に切り取っているように思う。
まだ行ったことがない街でもそのにおいをかぐことができる。
訪れたことがある街や、育った街であれば
過去、昔を、すぐそこに感じることができる。
村上春樹的な文体をもちいて、模倣なのかもしれないけれど、
やっぱり街をちょっと上手に書くなあと思った人に平中悠一という
作家がいます。
でもやっぱり本家にはかなわない。
だれか、今の盛岡をきりとってくれないかしら。
それにしても大学生のみなさん、まだであれば
大学生のうちに『ノルウェイの森』、いかがでしょう。
秋・冬にはとくに。(ただし卒論やってる人にはおすすめしません。)
あ、あんまり人に本薦めるのやめようと思ってるのだけれど、また
やってしまった。まあ、いっか。