あと数時間で、4年間の学生生活をそれぞれの場所で終えようと
している人たちがいる。
あと数時間で、誠実さと良心をいささかも曲げることなく働き続けて
こられた先生が、大学を退職されようとしている。
身近にいた人たちが近くにいなくなるという鈍いけれどもするどい感覚。
その一方。
あと数時間で、これから大学生になろうとしている人たちがいる。
1461日の始まり。
10年前の今日、私は東京人としてのおそらく最後の一日をなんとなく過ごしていた。
そのころのわたしは疲弊しきっていたが、岩手での生活に胸を膨らませていた。
新しい出来事への予感に震えるときのとらえどころのない感覚。
新しいサイクルが始まるのだ。
前に進むべし。
(同日一部修正)