夕方から夜にかけてすごい雨の中、バスで帰ってきた。
時間がかかった。
盛岡もすごかったようで。
明日の北上川の迫力はきっとたいへんなものだと思う。
あふれることはないだろうけど。
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恩田陸氏の『木漏れ日に泳ぐ魚』を
そのバスの中で読み終わった。
読み始めたあと、途中あたりから、
「これはすごいな」という感覚がうまれ、
その感覚は最後まで消えなかった。
これまでは『夜のピクニック』だけしか読んでいなくて、
それは確かに面白かったけれど、
文体にどうも違和感を覚え、
他の作品には手を出していなかったのです。
心理描写がすごい。
極端に異常な状況における
二人の登場人物の心理を、
きっちり想像しきっているように思える。
こんなことを想像できちゃうのか、かなわんなぁ、って感じ。
それともう一点。
この作品は「ピクニック」とは、
ぜんぜん違う雰囲気を漂わせているけれど、
対とされ、比較されつつ読まれる作品になるんじゃないかと思う。
それとも、それが陸さんの基本テーマと方法なのか。
他の作品も読んでみないとなんともいえない。
これ以上は言いません。
おすすめです。
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豪雨の中、バスに揺られ、
微妙に頭痛と気分の悪さを覚えながら、
休み休み読んでいく記憶。
その風景も意外とあとまで残るかもしれない。